夜間の食いしばり・歯軋りを科学的に防ぐ方法3選

夜間の食いしばり・歯軋りを科学的に防ぐ方法3選 顔の症状
顔の歪み矯正@宮内翔
顔の歪み矯正@宮内翔

顔の歪み研究所代表の宮内です!

今回は

夜間の食いしばり・歯軋りを科学的に防ぐ方法3選

について解説していきます。

「朝起きると顎が疲れている

「頬やこめかみが張っている

「寝ている間に歯ぎしりをしていると言われた

朝から首や肩までこわばっている」

このような症状がある方は、寝ている間に顎まわりの筋肉を強く使っている可能性があります。

ではなぜこのように夜間に食いしばりが起きてしまうのでしょうか。

今回は原因から解決方法まで科学的に解説していきます。

夜間の食いしばり・歯軋りの正体「睡眠時ブラキシズム」

夜間の食いしばり・歯軋りの正体「睡眠時ブラキシズム」

睡眠中に起こる食いしばりや歯ぎしりに関連する咀嚼筋の活動は、

専門的には「睡眠時ブラキシズム」と呼ばれます。

そして最も困ってしまうことに

「寝ている時に噛まないように意識しよう」

としても、当然ながら寝ている間は自分でコントロールできないということです。

そのため夜間の食いしばりを考える時には、

・睡眠の状態
・睡眠中の呼吸
日中の顎や身体の使い方
・顎や体の緊張状態

などまで含めて考える必要があります。

今回は研究を参考にしながら、

夜間の食いしばり・歯ぎしりの原因と対策をご紹介します。


夜間の食いしばりの原因3選

① 睡眠中の「微小覚醒」

① 睡眠中の「微小覚醒」

一つ目は、睡眠中の微小覚醒です。

微小覚醒とは、脳や身体が一時的に覚醒方向へ動く反応です。

ご存知の方も多いと思いますが、睡眠は大きく「レム睡眠」「ノンレム睡眠」に分けられ、ノンレム睡眠はさらに眠りの深さによってN1・N2・N3に分けられます。

睡眠時ブラキシズムは、特に浅いノンレム睡眠であるN1・N2で多くみられ、微小覚醒と時間的に関連して起こることが報告されています。

簡単にいうと、眠りが浅くなったタイミングで起きやすいということですね。

ノンレム睡眠・レム睡眠グレード

2011年の研究では、「浅い睡眠」は食いしばりを起こしやすくする原因になる

と報告されています。絶対的な原因ではないですが、キッカケになりやすいということです。

つまり睡眠が細かく乱れている人では、睡眠そのものについても見直す価値があります。


② 睡眠中の呼吸の乱れ

睡眠中の呼吸の乱れ

二つ目は、睡眠中の呼吸です。

2019年に睡眠検査の研究でも、睡眠時ブラキシズムと(閉塞性)睡眠時無呼吸(OSA)は非常に関連が強いと報告されています。

一言で簡単にいうと

呼吸に問題がある人は夜間食いしばりを起こす可能性が高まる

ということです。

ただし現時点では
「睡眠時無呼吸が食いしばりを直接引き起こす」
とまでは断定できません。
※両者の関連は示されているものの、明確な因果関係についてはまだ十分なエビデンスがない)

それでも、

いびきがかなり強い
・睡眠中に呼吸が止まっていると言われる
・十分寝ても日中眠い
・朝起きても疲れが取れない

このような方は

「呼吸に問題」がある可能性

があり、

その結果として食いしばりを引き起こしている可能性があります。

ただ明らかに睡眠時無呼吸が疑われる場合などは、耳鼻咽喉科や睡眠外来などの医療機関で一度評価を受けることをおすすめします。


③ 日中の顎・首・身体の使い方

日中の顎・首・身体の使い方が食いしばりに影響

3つ目は日中の癖や習慣です。

デスクワークやスマホ姿勢が長時間続くと、当然姿勢やカラダの緊張に影響を与えます。

2025年の研究でも 歯軋りとストレートネックには関連があると報告されています。

つまり、日中の不良姿勢や悪習慣が、首・肩・顎まわりの緊張や呼吸の浅さにつながり、結果として睡眠の質や夜間の食いしばりに関与している可能性があります。

ただこれもストレートネックが睡眠時ブラキシズムを確実に引き起こすというわけではありません。

しかし、長時間のデスクワークやスマホ操作によって、

首や肩が緊張する

顎まわりにも力が入りやすくなる

日中も歯を接触させる時間が増える

という状態は珍しくありません。

そして特に注意したいのが

TCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)」です。

これは強く噛みしめていなくても、日中に上下の歯を長時間接触させてしまう癖です。

2006年の研究では、TCHが慢性的な顎関節症の痛みを長引かせる要因の一つになっている可能性が報告されています。


夜間の食いしばり・歯軋りの対策3選+α

① 睡眠環境を整える

ここでは

睡眠の質を高めるために環境を変える

ことをお勧めします。


食いしばりの減らすために、微小覚醒を軽減させる必要性について説明しましたが、
寝る環境を変えることで食いしばりのリスクを抑えられる可能性もあります。

例えば枕に関して、

枕が高すぎると首が曲がり、顎を引きすぎた姿勢になることで気道が狭くなりいびきや呼吸のしづらさにつながる可能性があります。

そのため、極端に高い枕を避けて、首や頭が無理のない位置になる高さに調整してみるのも一つです。

高すぎる枕が食いしばりの原因にも

また、首元を適度に支えるタイプの枕など、睡眠中の首の位置を見直すことで呼吸がしやすくなる人もいます。

食いしばり予防と枕の高さ

専用の枕がなければ、バスタオルなどで高さを微調整してみるのも一つの方法です。

食いしばり予防にバスタオル

※ただし、首に痛みやしびれなどの症状がある方は無理に行わないようにしてください。

また、いびきが仰向けで強くなる人では、横向きで寝ることで呼吸が改善する場合があります。

その他にも適切な睡眠環境として

・暑くもなく寒くもない適切な気温
・適切な湿度(40〜60%程度)
照明は原則真っ暗にする(これは豆電球もNG)
・パートナーや周りのが気になる場合は耳栓など活用する

といったように環境を変化させることが適切な睡眠に重要です。(doi:10.1016/j.buildenv.2018.01.020)

食いしばり予防には睡眠環境を整える

② 日中は『口姿勢』を整える

夜間の食いしばりは、寝ている間だけの問題と思われがちですが、日中の口の使い方も無視できません。
日中から上下の歯が触れていると、常時咬筋や側頭筋などの咀嚼筋が過緊張状態となります。

その結果夜間の食いしばりに影響を与える可能性もあります。


咬筋・側頭筋の過緊張

そこで意識してほしいのが、口の姿勢です。

これは一言で言うと
リラックしした適切な口腔状態を指します。

具体的には下記の4つを意識しましょう。

①舌は上顎に当てる

②上下の歯は必ず数mm離す

③口を閉じる

④鼻で呼吸する。

正しい口姿勢

これが理想の口腔状態にもなります。


2006年の研究では
歯列接触癖がある人は慢性的な顎関節症を引き起こしている可能性があると報告されています。


当然、その結果周りの咀嚼筋も緊張状態は高まり、結果として夜間の食いしばりにつながるかもしれません。

そのため日中は
舌は上顎。
歯は離す。
唇は閉じる。
鼻で呼吸する。
といった口姿勢を意識しましょう、


③ 寝る前に「漸進的筋弛緩法」を行う

最後は、寝る前のリラクゼーションです。

おすすめしている方法の一つが、

「漸進的筋弛緩法(PMR:Progressive Muscle Relaxation)」

です。

一言で言うと寝る前リラックスした状態を作る方法で、

筋肉の力を入れる・抜くを順序通り繰り返すことで、体の緊張を落とすことを目的としたリラクゼーション方法です。

食いしばり予防にリラクゼーション

夜間食いしばりは今まで説明したように呼吸や緊張状態が影響します。

2026年8月に公表された14研究・957人を対象としたシステマティックレビュー・メタ解析では、漸進的筋弛緩法によって成人の主観的な睡眠の質が改善する可能性が示されています。

直接的に食いしばりを抑える効果がある!


と言う研究は見当たりませんでしたが睡眠の質には良い影響を与えることから、食いしばりに対しても効果がある可能性が十分に考えられます。

また私のクライアントでも食いしばりが軽減したと言う方も大勢います。

そして今回は寝る前にベッドで寝たまま簡単に行える方法を今回ご紹介します。

寝たままできる簡単な方法

仰向けになり、まず顎や歯に余計な力が入っていないことを確認します。

① 両手・両足の指に、5秒ほどかけて徐々に力を入れる

② その後、10秒ほどかけながらゆっくり力を抜いていく

③ 完全に力を抜いた状態で、そのまま10秒ほど脱力する

④これを5セット程度繰り返します。

漸進的筋弛緩法(PMR:Progressive Muscle Relaxation)

頑張って強く力を入れる必要はありません。

痛みが出ない範囲で、「力が入っている状態」と「抜けている状態」の違いを感じることがポイントです。

+αで行うべきこと

知っている方も多いかなと思い省略しましたが、エビデンスは非常に高いので食いしばりをどうしても辞めたい人は下記の点も気をつけましょう!

+αで食いしばりには気をつけること

・寝る前のカフェイン

・飲酒(アルコール

・喫煙(ニコチン

・種類によっては(自己判断で辞めずに必ず主治医に相談を)


食いしばりのまとめ

最後にまとめです。
夜間の食いしばり・歯ぎしりを考える時には、

①睡眠中の微小覚醒
②睡眠中の呼吸
③日中の顎や身体の使い方

など、複数の要因を一緒に考える必要があります。

そして解消方法としては、

①睡眠環境を整える
②口姿勢を日中意識する
③寝る前に身体の緊張を落とす

この3つから始めてみてください。

呼吸や歪みなど同時に悩みを抱える方へ

寝る前の緊張や食いしばり・歯軋りなどは
日中の姿勢や呼吸・顎の使い方
などの影響も十分に考えられます。

そのためそれらの使い方や歪みまで整えることで、症状としてさらに軽減する可能性も十分に考えられます。

以前ご来店いただいた方でも、

「最近また顎が疲れるようになった」

「朝の食いしばりが気になる」

「以前より首や肩が硬くなった」

「顔の歪み・左右差がまた気になってきた」

という方は、一度現在の状態を確認してみるのもおすすめです。

顔の歪み研究所では、顎まわりだけを見るのではなく、顎関節・咀嚼筋・首や肩・姿勢・身体の使い方などを確認しながら、その方に必要なケアや運動をご提案しています。

頻繁に通えなくても月1回で数回来られるだけでも症状が落ち着くケースもございます。

「今の自分の状態を一度チェックしたい!」

という方は、お気軽にご相談ください。

【ご予約・ご相談はこちら】

詳しくは下記URLよりご連絡ください。


参考文献

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・Zhu Y, et al. Sleep architecture as a candidate for phenotyping sleep bruxism. Journal of Oral Rehabilitation. 2024. DOI: 10.1111/joor.13482

・Martynowicz H, et al. The Relationship between Sleep Bruxism and Obstructive Sleep Apnea Based on Polysomnographic Findings. Journal of Clinical Medicine. 2019. PMID: 31614526

・Solanke SH, et al. Association between Bruxism and Cervical Spine Position in Human Subjects: A Systematic Review and Meta-analysis of Observational Studies. 2025. PMID: 40989979

・Sato F, et al. Teeth contacting habit as a contributing factor to chronic pain in patients with temporomandibular disorders. Journal of Medical and Dental Sciences. 2006. DOI: 10.11480/jmds.530203

・Caddick ZA, et al. A review of the environmental parameters necessary for an optimal sleep environment. Building and Environment. 2018. DOI: 10.1016/j.buildenv.2018.01.020

・Li K, et al. The effects of progressive muscle relaxation on sleep quality in adults: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Frontiers in Public Health. 2026. DOI: 10.3389/fpubh.2026.1906525

・Song GQ, Zhou S, He TL, et al. Individualized treatment selection for obstructive sleep apnea: network meta-analysis focusing on position dependent patients. BMC Pulm Med. 2026;26:228. DOI: 10.1186/s12890-026-04268-1.

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